フロン類(フッ素と炭素の化合物のフルオロカーボン)は、
オゾン層の破壊や地球温暖化への影響より、その管理が義務付けられています。
フロンメーカーやフロン類製造業者は代替フロンや機器開発、
所有企業・法人はフロン定期点検の実施、
回収・破壊業者は基証明書発行など広い範囲に管理されています。
▶︎フロン定期点検の種類と区分
業務用冷凍空調機器を所有する企業・法人は、第一種特定製品の管理者となり、
製品区分ごと簡易点検と定期点検が義務付けられています。
まず簡易点検ですが、全ての第一種特定製品を対象とし、
ユーザー側にて3ヶ月に1回以上の点検が必要です。
次に定期点検ですが、機器の構造から取扱、法令などの講習を受講した資格者による点検です。
「冷蔵機器及び冷凍機器(冷凍冷蔵ユニットなど)」は、
定格出力7.5kw以上が対象となり、1年に1回以上の点検が必要です。
「エアコンディショナー(業務用エアコンなど)」は、
定格出力50kw以上の機器は1年に1回以上、
7.5kw以上の50kw未満の機器は3年に1回以上の点検が必要です。
▶︎フロン定期点検の内容>
機器の管理者の氏名や機器情報、初期充填量などを基本とします。
簡易点検は、基本的に目視による外観点検となります。
振動、油もれ、傷、腐食などの有無や霜の付着などを点検します。
使用上の機能低下なども確認します。
チェックシートに記載し、内容整理、点検漏れを防ぐことをおすすめします。
定期点検は、冷媒フロン類取扱技術者や第一種フロン類重点回収業者などの
資格所有者により実施されます。
機器の異音・外観点検などを実施します。
漏えい点検では、直接法(発泡液法、ガス検知装置法、蛍光剤法など)
または間接法(平常運転時との圧力比較など)により、フロン充填量を確認します。
▶︎フロン定期点検の履歴
機器のチェックシートや点検結果、修理記録は、一定期間の保管が必要です。
法改正に伴い、機器を廃棄するためのフロン類の引き渡しから後の3年間まで保管が必要となりました。
機器の引き渡し証明書や解体の説明書も同様期間の保管が必要です。
フロン類を使用した製品は、さまざまな場所で使用されています。
フロン類をみだりに放出した場合には、
「1年以下の懲役または50万円異常の罰金」が科されてしまいます。
充填・回収証明に関する支援ツールも利用可能となっています。
確実にフロン定期点検を実施し、地球環境保全に向け法令遵守につとめましょう。